本屋大賞 過去受賞作の分析とその挫折
さて今週18日には待ちに待った
本屋大賞2018年の発表だ!
ただ、私は一つ疑問に思うことがいつもあった。
同じように1位に輝いても
ものすごく話題になっている感じがする年と
そうでない年があるように感じるのだ。
(私だけだろうか?)
そこで
過去の本屋大賞1位に輝いた作品の、その年のノミネート作品内におけるインパクトを比較してみた。
(ただし、あくまで僕が得られる情報と僕の印象をもとにした超勝手分析です!
そして結論から言ってしまうと、全然全くなんだそりゃという結論です。いや結論ですらないので、だらだらと過去受賞作を追うような気持で読んでもらえればと思います)
まず前提として
本屋大賞は1次も2次も、全国の書店員の投票により決まるが
2次の場合、書店員は1次でノミネートが決まった10作品に対して
1~3位までをそれぞれ投票し、
その時
1位=3点
2位=2点
3位=1.5点
という点数の振られ方をし、各タイトルがその合計点で最終結果を競い合う形だ。
(ただしこれは2006年の第3回本屋大賞以降の配点で、
大賞開始から2005年までの2年間は、それぞれ上から
5点、3点、2点
という振り方だったようだ。この微妙な軌道修正の事情は分からないが、まあ、業界の中の
話なので色々あったのだろう。)
以上を前提として
「1位作品の大賞におけるインパクト」の出し方はこうだ。
やり方は「1位~10位までの配点の合計点」に占める
「1位タイトルの点数」のシェア
(つまり「1位タイトルの点数」÷「1~10位全ての点数の合計」)
という形で
その年の1位のタイトルの圧倒的度を比較してみようと思う。
早速以下が集計結果だ
(本屋大賞HPに出ている数字を使って計算しています。)
https://www.hontai.or.jp/history/
・2017年:16.8% 恩田陸『蜜蜂と遠来』(幻冬舎)得票378.5点/全体合計2249点
・2016年:17.3% 宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)372/2151.5
・2015年:17.2% 上橋奈穂子『鹿の王』(角川)383/2223
・2014年:14.6% 和田竜『村上海賊の娘』(新潮社)366.5/2509
・2013年:16.2% 百田直樹『海賊とよばれた男』(講談社)278/1717.5
・2012年:21.1% 三浦しをん『舟を編む』(光文社)510/2411.5
・2011年:13.5% 東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館)386.5/2853.5
・2010年:16.9% 冲方丁『天地明察』(角川)384.5/2275
・2009年:17.8% 湊かなえ『告白』(双葉社)411/2314
・2008年:20.8% 伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』(新潮社)509.5/2453.5
・2007年:21.0% 佐藤多佳子『一瞬の風になれ』(講談社)475.5/2264.5
・2006年:14.9% リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』(扶
桑社)279/1875
※この年のみ1次審査で10位タイのため11作品のノミネートで2次審査が行われている。
・2005年:20.2% 恩田陸『夜のピクニック』(新潮社)374/1849
・2004年:21.8% 小川洋子『博士の愛した数式』(新潮社)202/926
(あ~入力疲れた!)
さて以上が結果だが、
タイトルインパクト比較の前に感じたのは、まあ新潮社の多いこと。
2017年から遡るにつれて「もしや、出版社持ち回りで1位を決めているんじゃ?」などと邪推
しながら集計を進めていたが、2004年の大賞スタートの時など新潮社が2年連続で大賞受賞、
その次は突然扶桑社と来るので、全くバイアスはかかっていないことが分かった。
と、それはおいておいて
その年の1位のインパクト比較である。
だいたいがシェア20%以下だが
一番高かったのが
2004年の小川洋子『博士の愛した数式』21.8%
だ。
そして一番低いものは
2011年の東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』13.5%
となる。
う~ん、どちらもものすごく話題になっていた気がするが
特に『謎解きはディナーのあとで』は
カバーデザイン、タイトルから連想させるイメージが牽引したのか
ネット界隈ではとても話題になっていたのを記憶している。
そして低いのから2、3番目の
『村上海賊の娘』14.6%
『東京タワー』14.9%
これらもすごく話題になっていた気がする。
う~ん、、、
とここまで考えてふと考えてみた。
割と若い人向けのパッケージ(カバーデザインとかタイトルとか)の場合、
僕にとっての印象はよく、
逆に本屋大賞内のインパクトが低くなるのかもしれない、、、
で以下がインパクト順に並べ替えてみたもの。
上からインパクトが高いものだ。
インパクト4位
伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』
インパクト8位
上橋奈穂子『鹿の王』
インパクト12位
リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』
インパクト14位
東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』
う~ん、、
あんまり結論染みたものもなく大変申し訳ないのだが
やはり固めの本については
僕は流行っている感じを受けていないんだなあ、、
でもそれだけとも言えないかなあ、、
ここまで読んでくれた方本当にごめんなさい、、
結論として得票シェアはあんまり関係ないみたい、、
もうすぐ発表の本屋大賞2018を待ちましょう!!