チャンバラ剣道ブログ

なまくら刀で一刀両断。斬られるのは世の中かこの俺か。

剣道は圧倒的に中段の構え でもそれって千葉周作 北辰一刀流がそうだったってだけじゃないの?

いきなり物騒な話で恐縮。

剣道は中段の構えが主流だが、本当に命のやり取りをしようとした場合、中段の構えになるだろうか? 本気で殺しに来ている相手には、少なくとも上段の構え、もしくは脇構え、八相の構えになりそうに思う。この三つはすでに振りかぶっている状態にあるので、一撃で相手に致命傷を与えられるからだ。

 

剣道をやっていると、いやいや刺し面では相手を殺せないだの、一本には本来ならないだの、現代剣道ににおいては少々煙たがられる議論が常にある。それならそもそも小手面胴以外を打突しても、ボカンと入れば一本にすればいいじゃないか、という話にもなる。そりゃそうだ、肘だろうが脇の下だろうが、当たれば相手は出血多量で死ぬ。

 

まあそれはそれで極端な話なのだが、正直、全員が全員中段で、たまに上段剣士が現れると、中段剣士は相手の左小手に剣先を向ける構えになるという、その時の試合のつまらなさと言ったら、剣道大会の最初によく見せられる模範剣道形レベルである。

 

僕がこのブログを「チャンバラ剣道ブログ」というタイトルにしているのは、現代剣道に疑問を抱いているからでもあるし、剣道は中段にとらわれずもっと自由にやってもいいのではないかと思っているからだ。なんだか行儀が良すぎて息苦しくなってくる。

 

打って反省、打たれて感謝。すばらしい。結婚当時、剣道を知らないカミさんにも、この世界観を誇らしげに語ったものだ。そしてオリンピックにも関心を示さない剣道連盟の方針にもうれしく思ったものだ。

 

だが剣道の歴史を知るにつれ、なんだ当時主流だった千葉周作の一派の剣法が、結局現代の主流になり、後生大事にされているだけなんだと分かり、国際大会を4年に一度開きながらも頑なにオリンピックには不参加の剣道というものが、なんだかめちゃめちゃアホラシイ縛りに発展を止められている世界に感じられてきたのだ。僕は。

 

というのも先日の成人式で、当日バックレた「はれのひ」という着付け業者の問題が上がったとき、「着付けくらい自分でしろバカ」というコメントが飛び交い、それに対して「先生だって自分じゃできないんだよバカ」という反論が飛んでいた(とニュースが言っていた)のだ。

 

で、そのニュースを受けて、知識人が寄稿していたのが「着物という日本古来の着衣は、当然ながら当時は自分で切れたし、高い安いありながらも誰もが購入できたのだ。しかし着物業界によって、一着何万円もして、着付けも一人ではできないもの、にされてしまった。結局日本の伝統を守るどころか、逆に一部の限られた人向けになってしまった」という文章でした。

 

なるほど、と。ぼんやりと思っていたことをズバリ言ってくれた気がした。着物はあまりに手間がかかりすぎる。着るだけではなく、保存も。しかも値段が高い。高すぎる。

 

まあ、着物について追及する気はないのだが、剣道も、割と同じような業界になっていないだろうか? 日本剣道形では上段に始まり、下段、脇構え、八相の構え、といろいろ出てくる。中段なんて2本目と5本目だったか、そのくらいしか出てこない。

 

なんてまた、剣道が好きなので、ああだこうだ言っているわけですが、

実際にはまさか試合や稽古で八相の構えを使うわけにもいかないので、中段で頑張りますが。なんでしょうね。中段の構え以外で全日本剣道選手権優勝を果たしてくれる人でも出てくれれば、一気に何かが変わるかもしれませんけどね。

 

でもその時は左上段で優勝、というのはやめて欲しい。左上段は捨て身すぎて、一本打った後の無防備さがあまりにかっこ悪い。これはこれで実践向きではないなと思う。

 

今日は先達を批判するような記事になってしまいました。なんだかわからないが縁あって剣道を始めてしまったみなさん、何しろ稽古しましょう!何だかんだ言ったって、竹刀を思いっきり振れることが幸せなんだよね!